「今までありがとうございました。」 主治医の先生に挨拶をして、 光くんのお兄さんの車に乗った。 「よ、よろしくお願いします。」 「おう。」 光くんは、昨日から、先に帰っている。 お兄さんの用事もすぐに済み、 2人で帰ったが、私が退院し、 電車では大変だと言い、 迎えに来てくれた。 光くんは学校に行っている。 「先生…。」 「ん?どうした?」 「私、最期は先生の病院がいいです。」 自分だってわかっている。 もう時間がないこと。 「どうして?」