「舞ー!」

玄関先で來が呼ぶ。

よし。

行こう。

「今行くー!」

玄関からおばあちゃんたちに

向かって

「いってきまーす!」

と、元気に言った。

「ってか、今日の英語

私当てられるー。

舞ー、当てられたら助けてー!」

「もー、しょうがないなー!」

來とはいつも他愛ない会話で

盛り上がる。

あっという間に学校に着いてしまい、

下駄箱で靴を履き替えていると、

「あ、光ー!!」

え?

來が後ろを向いて彼の名前呼んだ。

「…。」

光くんも私の存在に気付いたようだ。

一瞬目があったがすぐにそらした。

「…ごめん來。

私先に行くね。」

「え?

あ、ま、舞?」

戸惑っている來を置いて

私は階段を駆け上がった。