私は今、電車に揺られている。 電車に揺られながら懐かしい場所へ 向かっている。 おじいちゃんとおばあちゃんは、 駅で待ってくれている。 あれからの光くんは知らない。 あれ以来会っていないからだ。 「…。」 あ、もうすぐだ! 見覚えのある風景。 「まーい!」 ん? 駅の方から声が聞こえる。 窓を開けて、向かい風が吹く。 髪の毛をかき分けると、 來がこちらに手を振っていた。