切恋 〜涙の君に恋して〜


階段を降りて、

ご飯が並べられた食卓へと向かう。

「いただきます。」

いつも通り、他愛ない話をしていた。

「ごちそうさまでした。」

お皿を下げて、おばあちゃんたちが

食べ終わったのを確認して、

静かに口を開いた。

「ねぇ、おばあちゃん、おじいちゃん。

聞いてほしいことがあるの…。」

弱々しい声。

「あのね…。

私、病気なんだって。」

先生に言われたことを全て話した。

肺がんはもう末期の状態だということ。

転移しているかもしれないこと。

転移していたら、手術もできないこと。

東京の病院に行かなくちゃいけないこと。