切恋 〜涙の君に恋して〜


「舞?

どうかしたのか?」

机で新聞を読んでいたおじいちゃんが

ずっと突っ立っている私を

不思議に思っていた。

「あ、ううん。

なんでもないよ。

ご飯できたら、教えてね!」

そう言って、階段を駆け上がる。

扉を閉めて、そのまま座り込む。

「なんで、私なの?」

そう呟いたとたん、涙が溢れてきた。

まだ死ぬとは決まっていないけれど、

死を宣告されたようなもので。