「ほら、行くぞ!」
そう言う彼は笑顔だった。
つられて私も涙を拭いて、
笑顔になる。
高橋くんには、今日言おう。
そして、家には
あっという間についてしまった。
名残惜しく離れる手と手。
「じゃあまた明日な」
そう言ってだんだん小さくなる背中。
気付いたときには、
私は走り出していた。
「うわっ!」
私は光くんに抱きついた。
「充電する!」
光くんは、慌てている。
「そんな可愛いことしないで。
帰したくなくなる。」
そう言って、そっと体を離される。
「いいよ。
光くんなら。」
苦笑いをして光くんは、
「俺がダメなの」
と言った。