「ここだよ。」

30分近く歩いた頃だろうか。

光くんが、懐かしい家を指差していた。

「懐かしいなぁ…。」

ボソッと言った。

「ん?

なんか言ったか?」

「え?

なんでもないよ!」

「そっか。

あ、やべっ!

親父に出前頼まれてたんだ!

ごめんっ!

俺、もう行くわ!」

じゃあなと言って

手を振って去って行く彼。