桜の花びらが舞い散る日。

その大きな桜の木の下で、私は立っていた。


「あれ?私、何してるんだろ?」


キョロキョロ周りを見渡してみる。

ここは桃ノ木小学校だ。

私が通っていた小学校。

遠くから誰かが歩いてくるのが見える。

私は呼びかける。


「…っ。杉田くん。」


その人は私に何かを渡して走って行ってしまった。


「待って、置いて行かないで!待って、待って!」


走っても走っても追いつかない。