俺は相手を引きつけてから、味方にパスを出した。


それを味方がきっちりと決める。



ほら、入った。




ゴールが入って喜んでいるチームメートを横目に、俺はさっさと自分のポジションに戻った。




冷めてるやつだって?




うん。そうかも。




「おにぃちゃーん」



「?」




聞き慣れた声に顔を上げると、雷が笑顔でこっちを見ていた。




「ナイスパスー」


「おー」




雷だけは、いつもアシストをした俺のところに来る。



みんなのとこ行けばいいのにって、いつも思うけど、やっぱ嬉しい。