その日の夜、夕飯を作っていた俺の隣に来るなり、慎が言った。 「みんなに羨ましがられた!あんな兄ちゃん欲しいって!」 それって俺のことか? そんないい兄ちゃんじゃねぇと思うけど。 「そっか。今度友達連れてきな。夕飯一緒に食うかって」 「いいの!?よっしゃー!!」 友達くらい連れてきてもいいだろ。 きっと、今まで遠慮してたんだろうな。 家庭が家庭だから。