夢で会いましょう



「あ…っなんとかなると思うんで!
お気になさらず!」

はははっと笑って両手をブンブン振る。

「…なんとかなるわけないだろ。
ほら。」

そう言って傘を広げた。

「……え……」

「バス停まで一緒に行けばいいだけじゃん。
早く。」

慌てて彼の傘に入ると、雨の中に歩き出した。

雨の音が鳴り響く中、ひたすら無言だった。

バス停に着いてから、屋根があるからもう大丈夫だと言ったのに、薄暗いから危ないと言ってずっと一緒に居てくれた。

「…あの、ありがとう。
助かりました。」

「別にいいよ。
こういう日は1人で居ると何が起こるかわかんないからなぁ…」

「へ?」

意味深な事を言う彼に首を傾げると、いや…と返された。
いつもニコニコ柔らかい雰囲気を出してる印象が強かったのに、ひたすら無表情でぶっきらぼうな話し方に驚いた。