その日は帰るのが遅くなってしまい、1人で帰ろうと慌てて学校から出たら運悪く雨がどしゃ降りだった。
傘を持っておらず、置き傘はないかとキョロキョロしていた時、下駄箱から来た彼と目が合った。
傘ない事バレたら恥ずかしい…!
勢い良く目をそらして、端の方に隠れた。
コツコツコツ…
ローファーの足音を横で聞きながら俯くと、隣で足音が止んだ。
動き出そうとしない足音に顔を上げると、綺麗な横顔が空を見上げていた。
「雨…………。
多分、止まないと思うけど。」
「…え?」
ゆっくりこちらを見た黒い瞳にドキッとした。
「傘、ないんでしょ?
待ってても止まないよ。」
かぁっと赤くなる顔。
雨止むの待ってると思われたんだ…!
どっちみち傘なくて困ってるから何も言えないけど…

