うん、と浮かれ気分で教室に行くと、彼の周りには人が沢山いた。
女の子だけじゃなく、男の子も多い。

それが彼の魅力。


それに比べてあたし、八木 梨々子は顔はどこにでもいそうで、性格も上がり症で、取り柄のない女だ。

きっと運命は彼には彼のあたしにはあたしに相応しい相手を用意しているに違いない。

教室の席であたしは1番後ろ。
彼は二つ前の斜めの席。
いつもきちんと授業を聞いていて、本当に優等生って感じだ。

そんな彼にあたしが恋をしたのは、今から半年前のクラスが離れていた頃。
存在はもちろん知っていたけど、関わりがなさ過ぎてあまり興味なかった。