三浦君の家族構成とか、何も知らないや。
「……ごめん…ね。
お世話になって。」
「…別に。
仕方ねーだろ。
1人でウロウロしてたら危ないし。」
やっぱり優しい。
三浦君は三浦君だ。
着いた家は、高級マンションの最上階だった。
「…三浦君って…お坊ちゃんだったんだ…」
部屋に案内されて、思わず呟く。
「お坊ちゃんじゃない。」
「だって!
こんな部屋に1人暮らしって!」
「1人暮らしなわけねーだろ。
親と住んでるよ。
家に帰って来ないけど。」
家に帰って来ない…
聞きたいけど、聞くべきじゃないと聞き流した。
「着替えとかはねーから、明日にでもどっか行くか。
お前金は?」
「あっ、あるけど…こっちの世界と同じかな?」

