「ねぇ千香」


「ん?」


「行く宛てあるの…?」


「あ−…今のところないわ。」


少し表情を曇らせ千香は薄情した。



「よかったらこの家に住まない?」


「え!?」


「家賃とかいらないし。」


さっきまで『現実的に無理』と思っていたことが現実にできるのだ。


もちろん現実にするには本人の許可がいるのだけれど。