だって夜は実の子育て当番だから。


どんなときでも実香ちゃんが泣いたら実があやす。


まぁうちも大して変わらないけど。



「それじゃあ実のために!
 乾杯っ」


「「「「「乾杯っ」」」」」


こうやって集まる度に,昔を思い出す。


今だに連絡のつかない音緒も,こうして集まってたことを。


集まり会が終わりに近付いてくる。


私はそっと部屋を抜け出し,ベランダに出た。


ここはマンションより空に星が見えない。


その変わり…地上の星はとても綺麗だ。


雫もお気に入りらしく,夜泣きしてるときによく見せてあげると泣き止む。



「風が涼しい〜」


「酔っ払いには調度いいでしょ?」


着いてきたらしい葵に嫌味を一発。


私も飲みたいよ−っ



「なんでせーちゃんはベランダが好きなの?」


「ベランダじゃなくてベランダから見える星が好きなの。」


「星なんて見えないじゃん。」


そう言って空を見上げる葵。