ベランダから見える星

「返事くれる?」


「うん。
 返事は…ごめんなさい。
 えっと…これから凹ましてもいい?」


「は!?
 今ので十分凹んでんだけどっ
 …けどお願いします。」


まぁそうだよね。


そしてそれでも聞くのね…


かっこいいよ。



「音緒は大切な人だよ。
 いなくなったら絶対困るくらい。
 だから…出来ればこれからも仲間でいてほしい。」


自分勝手だけど,それでも傍にいてほしいから。


顔を上げない音緒を私は直視出来なかった。


怖かった。


音緒を失うことが。


家族みたいな音緒を失うことが…。



「しょうがねぇな。
 仲間でいるよ,静の大切な!」


え…


今なんて…



「諦めるのに時間がかかるかもしんない。
 でも静が帰ってくる頃には仲間の俺でいるから。」


うん。


ありがと…本当にありがとう。


そして『千香たち呼んでくるな。』と言って去っていった。


それが音緒との長いお別れとなった。


数年後くらいには会える予定だったのに…


音緒は姿を消しちゃったんだ。