「静ちゃん起きて!
 早く支度しないと間に合わないかもっ」


出発当日。


まさかの寝坊です…


飛行機は夕方出るんだけど,東京まで行かなきゃだから。


それなのに運悪く東京行きの飛行機が取れなくて…


車で行くことになった。



「お父さん早く!」


「分かってるっ」


準備は程々にし,すぐに車に乗り込んだ。


ふと携帯を見るとメールが一件。


【今近くの公園にいる。
 少しこれるか?】


と音緒から。



「ごめん!
 ちょっと待っててっ」


出発日にこんなメール…,と不思議に思いながらも,私は公園へと走った。


1分くらいで着いた公園のブランコに,音緒は座っていた。



「音緒!」


「おっ来てくれたんだ。」


「来いって言っておいてよく言う…」


全く。


飛行機乗り損ねたらどうするのよ。



「どうしても言っておきたいことがあったんだ。」


「何…?」


『早くして』そう言いたいけど…音緒の真剣な顔を見たら何も言えない。