ベランダから見える星

実はただその光景を目で追っていると…体に鈍い痛みが走った。


抱き着かれたと思った瞬間の出来事だった。


そっと離れた幸の手には……果物ナイフが握られていた。


刺されたと分かったのにどれくらい時間がかかったか覚えていない。


けど笑いながら去っていく幸の姿だけは鮮明に覚えている−…


それから実は幸だけでなく


“女"を信じなくなった。