「お世話になりました。」


今日,私はこの家を出ていく。


翠さんと父親のいるこの家を…。


あの日言った『一人暮しがしたい。』という願いは叶えられた。


でも父親はすんなり許したが,翠さんはそうはいかなかった。


『女の子を1人には出来ない。』とか『一緒にいたいのに!』とかありとあらゆる理屈を並べて反対してきた。


それでも私が『一人暮しをしたい』と言い続けたら条件付きで許しを得た。