「出来たでっ」


私の言葉通り10分で準備を終えた葵。


私は立ち上がり玄関へと向かう。


一応『お邪魔しました』と言って外に出た。


今日は生憎の曇り空……



「チャリ取ってくるわっ
 ここで待っとってな!」


そう言われエントランスらしい場所で立ち止まる。


私は走っていく葵の後ろ姿を見ていた。


人の後ろ姿は嫌い。


置いていかれそうで……



「せーちゃんっ」


ちゃんと葵が戻ってきたことに私はホッとした。