嫌いで…怖かったはずの葵を見て安心するなんて思わなかった。



「どないしたん!?
 顔色悪いで!?」


そんな言葉が聞こえたのを最後に私は意識を手放した。


あたたかい…


安心する…



「あっ山上さん?
 葵やねんけど…
 せーちゃん倒れて−…」


心地よい空間に私は目を覚ました。


ふと声のする方へと視線を向けると葵が誰かに電話してるようだった。



「どういうこと!?
 静は大丈夫なのよねっ!?」


離れているのに電話口から聞こえてきた千香の声。


電話の相手千香なんだ…