「知らない番号だ。
 …もしもし。」


実の表情が凍り付いたのが分かった。


皆分かったらしく空気が一変する。


千香が不安になったのか実の服の裾を掴んだ。


いつもの実なら照れ笑いを見せてくれたはず。


けど実は千香には目も向けず席を立った。


涙を浮かべている千香をチラリとも見ずに…


私達は実がリビングを出て行ってから数分,言葉を発することなく食事をしていた。



「うるせぇ!!
 お前とはもうなんでもないだろうがっ!」


沈黙を破ったのは初めて聞く実の怒鳴り声。