「あなた−!
 静ちゃん着いたわよ〜」


家の中に入るなり彼女は誰かを呼んだ。


その“誰か"はもう見当がついていた。



「おぉ着いたか。
 静,疲れたか?」


その“誰か"は…父親。


今までろくに話しもしなかった奴がこの女性の前では自ら言葉を発した。



「別に…。
それよりこの人誰?」


この私の質問に返事をしたのは彼女だった。



「もしかしてあなた何も言ってなかったの!?」


「あぁ…」


父親の言葉に溜息をつき私を見る。