私の言葉に溜息をつく音緒。


『血迷ったかと思った…』と変な事をいいながら。



「千香!?」


突然後ろから聞こえた声は私の大切な人の名前だった。


私が振り向くと声の主は『人違い…』と踵を返した。


私は音緒を置いてその人を追い掛け,声をかけた。



「こんにちは!」


その人は突然話し掛けられて驚いていたが気にしない。



「私新学期に転入してくる皐月っていいます。
 よかったら校内の案内頼めませんか?」


人あたりの良さそうな笑顔で声をかけたお陰か怪しい申し出を引き受けてくれた。