「ねえ、咲火。俺だよ?」
この声、愛斗にそっくり。
さらに怖さ増すんだけど!
「咲火ってば!」
愛斗の声をした幽霊は、あたしの肩を掴み、くるんと一回転させた。
「きゃあああああああああ!って、本物の愛斗だ」
冷静に考えれば、幽霊なんていないですよね。
あたし、パニック起こしてた。
「咲火、ついておいで?」
黙って愛斗について行くと。
「まぶしっ!てかやっと出れたー!」
あたしが迷路脱出までにかかった時間は50分。
1時間かからなかったのが不幸中の幸い。
「咲火っち大丈夫!?」
海春先輩はタタタっと駆け寄ってきて心配してくれた。
「なんとか…。すいません、心配かけて」
あたしがそう言うと、大丈夫、出れてよかったね、と笑ってくれた。

