迎えた月曜日。
席に座って、一ノ瀬くんはいつ来るのかって意識しながら、友人と話していた。
すると、一ノ瀬くんが少しして、自分のところに向かって来た。
「水原っ」
「あ、一ノ瀬くんっおはよー」
ほんとは一ノ瀬くんが来ることに気づいていたけど、わざと気づかなかったふりをする。
「はい、指輪」
そう言い、小さな袋にわざわざ指輪が入れてあり、渡してくれた。
「ありがとうーっ!」
ほんとはふたりきりの場所で、薬指に指輪通してほしかったなーなんてドラマチックな想像してたけど、そんな展開はあるはずもなく(笑)
でも、自分の指輪を見つけてくれたこと、わたしの指輪だって気づいてくれたことに対して、運命だってそう思い込んでいた。

その時は

まだ気付かなかったんだ。