演習中、わたしはみんなと離れた席にひとり座った。
ひとりになりたかった。
わたしの恋愛観はおかしい
なんてみんなに思われてもおかしくなかった。
でもわたしは
好きでこんなことをしてるんじゃない。
ただ・・・


ただ一ノ瀬くんのことを

忘れたいだけなの



「どうした?さっきの話聞くよ。」
一ノ瀬くんはわたしの隣に座り、
授業中だというのに、その話を再び持ちかけた。

先生は授業で流すDVDが流せず、苦戦していて、
時間としては授業中なのだけれど、講義はまだ出来ず、
周りのみんなはみんな話していた。

「・・・わたしの彼さ。」
「うん。」
「ホストで、わたし以外にも他にも彼女がいて。セフレも何人かいて。それを承諾して付き合ったの。」
「うん。」

それでも付き合うなんて、わたしやっぱり汚い女?

声には出さなかったけれど、心の中でそう呟いた。