『なんで許婚が代わったか知ってる? 当時14歳の千紘くんが葵がいない間に 家にやってきたの。 …それで言ったのよ』 「…何を言ったの?」 「僕は葵さんのことが好きです。 だから、お願いします。 お兄ちゃんと許婚を代わらせて下さい」 後ろから低い声が聞こえた。 私はスマホを耳に当てたまま驚いて 後ろを向いた。 「俺はそう言ったんだよ」 と千紘くんが息を切らして立っていた。