『なんでかはお母さん知らないわ♪

…葵知ってる? 昔あなたの許婚は
朝柊くんの方だったこと。』


と弾むような声でお母さんは言った


「知ってる」


『あ! 思い出したのね〜!あなた
ずっと忘れちゃってたから。

遊園地行った 数日あとから。ずっと。』



あ、そうだった

私は小学一年生のあの頃

千紘くんとキスしてしまったことで
気づいてしまったのかもしれない。


千紘くんのことが好きだって


幼いながらもこれはダメだと思ったんだ



そして私は忘れたんだ。
遊園地の記憶とともに千紘くんが好きだって気持ちを。