そんなことをボーッと思い出していると
「葵? 大丈夫か?」
と隣にいる千紘くんが私に聞く
あ、そうだ 私千紘くんとキスしちゃった
んだった
すっかり自分の世界に入ってしまっていた。
聞きたい事がいっぱいあるの
「千紘くん 私 思い出したの」
「え?」
「私、千紘くんと昔ここでキスしたよね?」
私がじっと千紘くんを見つめると
千紘くんは驚いた顔をした
「……思い出したのか?」
「…うん 今まで 忘れててごめんね」
なんで忘れちゃってたんだろう
観覧車はゆっくりと下っていく
「……確かにしたな 小学生の頃に」
と千紘くんは窓を見ながら言う

