「都会は楽しいか?」と憲一はニヤニヤしながら俺に話してきた。おれは「まあまあかな。」と適当に返した。すると憲一は「おれはあんまり楽しくないな、刺激がないんだよ、都会で働いているお前が羨ましいよ。」といいながら肩を組んできた。おれは地元に戻るかどうかを相談しようと思ったがまだまだ少しお酒をいれた方が話しやすいかなっと思い、話を切り出すのは後にしようと思い、「綺麗な姉ちゃんばかりで出勤はなかなか楽しいな。」と憲一が喜びそうな事を言った。憲一はその言葉に食いつくように服装がどうとか、どれだけ綺麗な女性がいるか聞いてきたので詳しく教えてあげた。二年ぶりだというのにこんなくだらない話ができるのはやっぱり親友だからできることである。お互いにためらいやぎこちなさが全くないのが不思議だ、おれは親友というのはほんとにいいものだと改めて思い、挫折気味の心が少し癒された感じを受けた。いつの間にかいつもの居酒屋についた。ここは俺たちが大学時代にコンパをしたあとの反省会によく使っていたお店でここの亭主や店員たちとは顔見知りで色々とお世話になった。おれは久々にみんなに会うのでドキドキしながら店の戸を開けた。
