どうやら両親とはぐれたらしい。一緒に探そうにも人混みでこちらが迷子になってしまう状況だ。 とりあえず、父親があとで巫女さんに聞いてくれるみたいなのでいっしょにお参りをすることにした。少し落ち着いたのか泣きそうな顔ではなくなったみたいだが不安な顔をしている。よく見るとおれと同じか年下ぐらいの年齢でおとなしい感じの子だ、背丈は少しおれより高い感じでほっそりしていて髪の毛は長い黒髪で目はわりと大きく整ったきれいな顔をしていて少し丸い感じの顔をしている。この辺りでは見たことがない顔だ、凄くかわいい子だ、おれはマジマジと顔をみてしまった。 そして父親がおれに「この子もはぐれないように宗次郎と憲一の間にいれて手を繋ぎなさい」と言われたので憲一はあまり意識した感じがなく手を繋いだがおれは照れ臭そうしながら手を繋いだ、手が震えてどきどきしてしまった(女の子と手を繋ぐなんて暫くなかったかもしれない)。何かを話そうと考えたけど何も思いつかないし、声が震えて全くでなくなってしまい、目を合わすことさえできない状況だ。パニック状態になりながらも前に進んでいきやっとお賽銭箱のところにたどり着いた。
