よく失恋すれば忘れろというが、それだけが答えではないように思う、立ち向かってその失恋を良き思い出に変えるくらい強い心を持つこともまた一つの答えだろう、トラウマにするよりは全然マシだと思う。 人は常に幸せと不幸が入り交じった人生を歩いている、不幸な出来事が大きければ大きいほどまた幸せになることも大きくなるかもしれない、大きな試練や大きな壁を乗り越えるほど強くなることが咲子ちゃんとの出逢いと別れで実感して学び、強くなったと思う、咲子ちゃんがいなければ俺は強くなれなかった、それは咲子ちゃんが死んでいなくとも傍で咲子ちゃんを見ているだけで強くなっていただろう、そして彼女の手紙は、読む度に彼女の心の強さを痛感する。 俺はまだまだ人生が長いが咲子ちゃんに頑張ったよと言えるように精一杯生きようと思う。明日、結婚する今の彼女とまだ予定がないがこれから生まれてくる我が子を幸せにすると夜空で星となってみている咲子ちゃんに誓うと思いながらいつの間にか俺は夜空を見ながら歩いていた、結婚前夜は男にとって昔を思い出して振り返るものだ、俺は両親より憲一と孝介と過ごす事を選んだ、あいつらならなんでも知っているからだ。
