初恋の女の子〜あの子にあえたなら〜

俺はそれを受け取った、紙は折り畳まれていたので開いてみると俺の似顔絵だった、地元の交番の似顔絵と同じだった。
智子さんが俺に「その似顔絵は警官からもらったようです、昔、私もよく見せられました、私のお婿さんだと言ってました、それを財布の中に大事にしまっていたみたいです、そしてそのミサンガは入院中に作っていたものです、完成はまだしてなかったようです。」と言われて、ミサンガを見ると完成してないのがわかった、網目が途中でほどけそうな感じだ。俺は咲子ちゃんはこの似顔絵をみて俺のことを思い出していたんだ、このミサンガを完成させて俺に渡そうとしてくれていたんだ、自分の事より俺の事を考えていてくれたんだと思った、自分がまた情けなくなってきた、落ち込んでいる場合じゃない、どんな困難も越えなければ咲子ちゃんに俺が死んでからみせる顔がない、重い病気と闘い、十数年間も俺に会えなかった思いに負けずに頑張っていたんだ、俺はこんなによく思ってくれて強い心を持っていた咲子ちゃんに負けてはいられない、もう悲しまない、立ち止まらない、自分を悔やんでばかりではなく、しっかりとした眼差しで前に進むんだ、逃げてはいけない。