初恋の女の子〜あの子にあえたなら〜

家に帰ると夜中なのに大きい声で「咲子や。」と呼ぶ声がした、前を見てみるとおじいちゃんが泣きながら私のところまで走ってきた、廊下がドンドンとうるさくお父さんになだめられていた、おじいちゃんは小太りで普段は穏やかで面白い人だが今はその面影がほとんどなかった、多分、私とはぐれたことにかなりの責任を感じていたのだろう、小太りで頬が丸いおじいちゃんの頬が少し痩けているような気がした、顔色も悪い。 私はおじいちゃんに「ごめんなさい、心配をかけてしまったね。」と言ったらおじいちゃんが「いいんじゃよ、おじいちゃんは咲子が戻ってきて嬉しいんだよ、本当によかった。」と凄く感情がこもっているのがわかるような柔らかく強い口調だった。
私はお母さんに連れられて布団を敷かれている部屋に案内されて布団に寝かされた、そしてお母さんとおじいちゃんが私の寝ている両脇で私が寝るのを待っているように見ていた、お母さんが「今日はゆっくり寝さない。」と言われて私は「わかった、お休みなさい。」と言って目を閉じた、するとおじいちゃんがお母さんに謝っている声が聞こえた、お母さんはそんなおじいちゃんを責めずに許しているように思えた。