初恋の女の子〜あの子にあえたなら〜

咲子ちゃんが俺に「お兄ちゃん、ど、どうしたの、やっ、やっ、やっぱり私に帰ってほしくないの？」と震えた声で聞いてきた、咲子ちゃんの顔を見るとまだ泣いている、今の言葉を出すのが精一杯だったんだろう、俺は頑張って伝えてくれた言葉をどう返すべきか、わからなかったが自分の気持ちを正直に言うことにした、涙をこらえながら咲子ちゃんに「本当はずっといてほしい、誰よりも咲子ちゃんが好きだから、誰よりも必要としている、でも俺達はここで一緒にいようとすれば神様の試練から逃げることになる、幸せになれない、咲子ちゃんを過去に戻すことが幸せなんだ、もう二度とあ……」と言ったが会えないとはやっぱり言えない、涙が更にあふれでてくる、止まらない、すると咲子ちゃんが「二度と何なの？」と涙をこらえたが不安な顔で聞いてきたので、俺は涙をぬぐいで「二度と二度と」とあとが言えなかったが「二度と迷わない、頑張って十数年後に逢うんだから。」とやっぱり本当の事が言えなかった、でも言わない方がいい、言ってはいけないこと、俺にとっても神様が与えた試練なんだ、楽な解決がすべてではない、逃げずにこの悲しみを乗り越えなければならない。