交番に連れていかれている途中で、咲子ちゃんが警官に「お兄ちゃんは何もしてないよ。」と言ったら警官は「そうなんだ、別に捕まえるわけではないよ、気分が悪そうだから休ませてあげるだけだから。」と言うと咲子ちゃんは納得したらしく俺に微笑んだ。 俺は今の警官の言葉は咲子ちゃんを安心させるだけであって、俺を本当に休ませる気はないことはわかっていた。 俺は人生で最大のピンチを迎えているような気がする、これで誘拐犯に仕立てあげられたら人生はもう終わりだろう、咲子ちゃんの願い事どころではない、どう切り抜けるかだけしか考えられなかった。交番に着いてしまった、俺は咲子ちゃんと少し離された席で座らされた、そして俺の名前から住所と職業を聞かれて、警官は肩にある無線で通信をして俺の事だろうか、何を言って調べてもらっているようであったが、返事が戻ってこない、すると婦警さんらしき人が咲子ちゃんを外に連れていった、俺は本格的に取り調べが始まるような気がしてきた、警官が俺に「本当はあの子はどこから連れてきたのかな?」と単刀直入に質問されたので俺は「すいません、親戚ではありません。」と言った、俺はすべてを話す決心をした。
