初恋の女の子〜あの子にあえたなら〜

店の奥に行ってみると予想通り、牧村はほろ酔い気分になっていた。「おい、おそいぞ。」と言われたので、なぜか軽くお辞儀をして俺たちは席についた。このほろ酔いの男は牧村 孝介で中学、高校と同じだったが大学には進学せず、専門学校に進学し、現在は病院で診療放射線技師として働いている。診療放射線技師の専門学校は三年あり、けっこう課題を出され、テストが難しかったようで普通の大学生のように遊びながらストレートに卒業するのが大変で大概は留年をして四年かかって卒業するものも少なくなかった。だからか、高校卒業してからは孝介とは会う機会が減ってしまったが学校を卒業し、就職してから俺たちと会う機械が増えて、飲みに行けるようになった。性格は真面目で短気だが人情深く律儀で彼が専門学校に通っている時は、飲みに行くとバイトができなくお金がなかった孝介におごってやることが多かったが、俺たちが四回生になると彼は就職したのでその一年はほとんどおごってくれたのである。現在も時々、あのときは世話になったといって色々と俺たちに気を使ってくれる、これで酒癖が悪くなければ本当にいいやつなんだがそこを治すためにお酒をやめろとは言えない。