「兄さん、起きてください。もう起きる時間ですよ?」
小さい頃から続く毎日の日課。
幸せそうな顔をして眠る兄さんを優しく起こし、兄さんと一緒に朝食を食べる。
「兄さん兄さん、お口にケチャップが……」
人差し指を口に近づけ、拭おうとしたその時――バシッと手を掴まれる。
「ほんと?ありがとう」
そしてハンカチで拭われてしまう。
「あたいが拭おうとしたのに!!」
「それじゃ朱音が汚くなっちゃうよ」
「兄さん……!」
身支度をして、高校へ登校する。
ああ、兄さんと登校できるなんてどんなに幸せか……!
学校では恥ずかしがって一緒に居られず、唯一2人きりになれるのはこの登校時間……!
「朱音、昨日は学校でなにしてたの?」
これはこの時間の定番の会話。
「昨日も変わらず……あ、いえ。そういえば生徒会長に脅されましたわ!」
「脅された?涼雅くんに?」
「はい、俺に付きあえって……。昨日はそう言われた後、彼はどこかに行ってしまったの……」
「そうなんだ……。でも涼雅くんは良い人だから変なことはされないと思うけど……」
変なこと!?変なことってなんですの!??
兄さんはなにを想像していますの!?まさかあたいがっ……!そんなっ!は恥ずかしいですわっ!!
「兄さん!あたいは兄さんの為ならなんでもしますわっ!」
「うん?そう?ありがとう」
