兄さんと会長



そんな金髪の涼雅くんは4月のある放課後、とても有名な不良のリーダーの告白を聞く。


聞いてはいけないと思いつつも好奇心に負けた涼雅くんは声のする方へ近づく。


そこには声の主、リーダーと赤い髪をしたあの朱音がいた。


初めて見るその女子生徒を心配しながら、何かあったら止めに行こうと覚悟を決める。



「ごめんなさい。あたいにも好きな人がいるんですの。あたいはその人一筋ですから……」



可愛らしい小さな顔を赤らめ、不安そうな顔で180㎝越えのリーダーを見上げる。


その顔に涼雅くんはやられてしまったのです。


後日、涼雅くんは彼女をストーカーのように探しこっそりと見つめるようになった。


どんなにカッコよかろうが気持ち悪いですね。



日々見つめているうち、あることがわかった。


彼女は一年生で、奇跡的に涼雅くんの唯一の友達の妹。


そして彼女は、涼雅くんの友達をストーカーしていた。


ただ見つめるだけではなく、「兄さん……兄さん……兄さん……兄さん、兄さん……兄さん、兄さん。兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん!!!!!」とブツブツ呟いているのだ。


恐ろしかったが、恋の熱が冷めることはなかった。



「お前の妹、偶然見かけたんだが……あれはなんだ?」



涼雅の唯一の友達であり朱音の兄である孝介に話を聞く。


嘘をつくのは仕方がない。


妹をストーカーしてるなんて恐ろしくて言えるはずがない。



「え、なにかしてた?」



孝介には思い当たることがあるらしく、冷や汗をかいている。



「兄さん兄さん兄さんってブツブツ言ってたぞ」


「やめてって言ったのにぃ……」



話を聞くと、朱音はお兄ちゃんっ子らしく中学で孝介の教室に行きいちゃいちゃとしていたらしい。


そのお蔭でブラコン兄妹と言われ、とても恥ずかしかったそうで。


だから同じ高校でもいいけど関わらないで、と言ったそうだ。



「僕から注意しておくから、またあんな事してたら言ってくれないかな?」



唯一の友達です。断るはずありません。