「麗華、大前組のこと覚えてる?」
大前組?
あぁー
『雷華の学校祭の時の?あの女?』
「そうそう」
『その女がどうかしたの?』
聞くと、春は話し始めた。
「実は、最近大前組の島、荒れてるんだ。この前俺らの代の龍神のやつらが何人か襲われて、連絡をくれたんだ。」
『え?知らなかったんだけど!』
「お前に言ったら、騒ぐだろーが」
和彦にごもっともなことを言われてしまった……
「それで今、現役のやつが毎日大前組の島に足運んでるみたいなんだ。」
「現役に特に被害は、ないのか?」
聞きたかったことを咲に言われてしまった。
というか、そもそも何のために?
『登龍一家』では、無意味な暴力は御法度。
同盟・傘下の組では、当たり前に上に従わなくてはならないから、御法度。
大前組だって、ウチの傘下だ。
襲われたのだって、元暴走族だけど今は堅気。
堅気に手を挙げるんじゃあ、相手が相当悪い事をしないと………
大前組、理解不能だ。