帰るまでに香さんに会えるかな?
と思ったけど、そんな事はなく……
会えないまま帰ることになった。
「お嬢、着きました。」
『おう。サンキュー』
と言って車を降りる。
玄関まで歩くと、庭にちぃちゃんがいた。
『ちぃちゃん〜!』
叫ぶとこっちを向いてニカッと笑って手を振ってくれた。
「お帰りなさい。皆急に麗華がいなくなるから心配したのよ?」
やっぱりね……
特にママはうるさかっただろうに。
「麗華帰ったか?」
珍しく外に出ているおじいちゃん。
『うん!たった今ね!』
嬉しそうに笑うおじいちゃん。
この夫婦最高だわ。
そう思いながら、家に入った。