だからあれ以来必要以上に愛夏を連れ回すのをやめた。


母親に怒られるのが怖いのではなく、愛夏が倒れてしまいそうで怖いから。




「まあ、そーだけどね?
でも私とは正反対だし……、モテるし……」




愛夏のネガティブ発言を聞くのは久しぶりかもしれない。


いつも弱音は吐かないし、笑顔だから。




「冗談言うなって」

「でも悠がサッカーの練習してるとグラウンドのフェンスの周り女の子だらけでしょ……?」




確かにそうだけど。

俺は別にそんなん気にも留めたことないし。


それに、俺は誰も好きにはならねぇから大丈夫なのに。