「そこっ! もたもたしない!」 「はいっ」 夏休みが始まって数日が経つある日。 俺はサッカー部の練習に励んでいた。 俺は愛夏のことでそんなにうじうじするような奴じゃないし。 しっかり頑張っていた方が愛夏も喜ぶ気がする。 「悠真っ、パスっ!」 「おーっ!」 龍から回ってきたボールを、まだ敵が追いついていない内にゴールに入れた。