「なんかさ、もう遠い人になっちゃったね、悠」 「何言ってんだよ」 遠くなんてちっともなっていないと思う。 だって今だってこうして一緒にいるのに。 「でも、なんかね……」 いつもの愛夏はどこへ行ったのだろう。 「ずっと離れねーから大丈夫だよ」 少し励ましてやる。 これくらいしか今の俺にはできない。