「洗ったか?」と聞かれ
「あ、はい」と答えたら
「湯船、行かねえか」と誘われた
おお。富士山が見える
「女湯は鯉らしいぞ」
「へえ」
「ちょうど空いてる。こっち来な」と言われるがままに
ついていったら足を伸ばして入るお風呂があった
入ったら背中と腰にジェット噴射が当たってすごく気持ちがいい
「これ、病みつきになりますね」
「そうなんだよ」
ふと、天井を見る
すごく高い
普通の家の2階分くらいあるのではないだろうか
他の客もちらほらいて
タケさんは誰かと話していた
他の種類の風呂はあるのかと思い
電気風呂に入ったらビリビリしてちょっと怖かった
茶色いお風呂には薬湯って書いてあって
なんとも言えない不思議な匂いがした
そろそろ、出るかと思い
タケさんの所に戻った
「色々とお借りして、ありがとうございました」
「いいさ。出るか?」
「はい」
再びガラス戸の前に立った時
タケさんが桶を渡してきた
「?」
「出る前に足にかけろ」
タケさんの真似して足にかけたら
「冷たっ!!水!?」
「はは。お湯だと思ったか?」
「…なんで足に水を?」
「知らんけど、そういうもんだ」
そうか。そういうものなのか
…………分からん

