帝国湯へ、いらっしゃい


――

駅に行ったら、琴ちゃんは既にいた

「悪い。待たせた?」

「大丈夫」


「じゃ、行くか」


店に向かう


デートなんていつぶりだろうか
琴ちゃんも、楽しみにしてくれてたのだろうか



つーか、

「今日はスカートなんだ?」

「え?あ、うん」


…よし。ここで一発

「似合うな」

「どうも」


反応が分かりずらいなあ


「でも、半纏の格好も捨てがたいね」

「どうも」


うーん。大して嬉しくないのか?それとも照れてるのか?


ポイントが地味に難しいんだよな


ま、いいや。少しずつ崩していこう

琴ちゃんからのお誘いってことは、そこそこイケる……はず



「この店なんだけど」と店の前で立ち止まる


「最近店をリニューアルしたんだ。昔からある店だから味は保証できる」


「へえ。じゃあ入ろ」