***
ピンポーン
インターフォンの音で目が覚めた
時計は11時
……もう昼じゃないか
ドアの前には琴がいた
「おはよ」
「どうせ、ロクなもの食べてないと思って」
と、タッパーをローテーブルに並べていく
「作ったのはお母さんだけど」って笑った
「ありがと。貰うよ」
台所でコーヒーを入れる
コーヒーは琴に渡して
俺は箸を進める
「ミナコさん料理うまいね」
「そう?」
………
「急にどうして来た」
「…うん」
「元気ないな、って」
「そんな風に見える?」
「……うん」
そっか
空になったタッパーを置いて
自分のコーヒーを持ってきた
「別に、元気だよ。だから心配しなくていい」

