それから、亮ちゃんのいない、私の日常が始まった。
最初は、学校も行かず部屋にこもって泣いてばかりいた。でも、友達やお母さん達に迷惑をかけたくないから、悲しみを必死に押し隠して笑顔を作り、学校に通う。
でも、学校には通えても、笑顔を作れても、私の中の時間はあの日で止まっていた。
朝、目が覚めると隣に亮ちゃんが居て、これが全部夢だったなんて、笑って頭を撫でてくれるんじゃないかって。
でも、目が覚めると辛い現実に引き戻される。
学校でだって、教室のドアが開くたび亮ちゃんがそこにいるような気がしていつも振り向いてしまう。
そして、笑って私の隣にまた座ってくれると期待している。
でも、私の隣の席は、亮ちゃんが亡くなったあの日から誰も座ることはない。
周りがどんなに変わろうと、いつでも隣に居た亮ちゃんは、もう隣に居ない。
その現実が、私を苦しめる。